1.思い巡らす構造
書くべき内容がはっきりと決まっている場合には、次から次へと文章を綴ることができますが、未だ書くべき内容がはっきりしていない場合には、そうはいきません。書くべき内容がはっきり決まっていないうちに、思いついたイメージを順番にそのまま言葉に置き換えて文章を書いた場合には、それを読み返したときに自分でも理解できないものができあがってしまいます。つまり、自分がそのモノ、コトについてのイメージがはっきりしていない場合(イメージが不足している場合)には、そのイメージをはっきりさせることから始めなければなりません。
私たちは、即答できない問題にぶつかった場合に、既存の知識や経験で役に立ちそうなデータを探そうとします。このように「あれこれ」考える場合には、問題に関係のあるモノ、コトにまつわるイメージやその意味と関連のある言葉を追うようにしています。いわゆる「思いを巡らす」といったことをします。「巡る」とは、「そのものを中心としてかかわりあう。」(「新国語辞典」、山岸徳平編、(株)清水書発行)ということです。
そこで、「思いを巡らす」ということを紙の上で表現しようとすれば、テーマとなる考える対象を紙の中心に置いて、つまりテーマを言葉や図で表わして、これにかかわりのある言葉や図をその周りに配置することになります。このような表現方法は、実は、イメージ優先の思考をする企画・開発担当者であれば日常自然に行っています。(次ページへ続きます)