9.人が生きていくに必要な情報は、必要としている人へ直ぐに伝わる(2)

3.商人は「情報通」である

・開国か攘夷かでしのぎを削っている時に商人たちは盛んに伝聞や直接の情報を取り混ぜて、自分の商売の先行きのために必死になって動いている様子が分かる。

・乱世では、情報を早く、正確に掴んだ者が勝つ。孫子いわく”情報を制する者は戦いに勝つ”である。

・人々は無意識に諜報活動に血道をあげ、全国にビジネスを求め歩いており、現地の武士に道中の情勢などを訊ねられている。

・商人は、市中にあって庶民に接し、かつ取引先の中には大名もいる。これら「大小のゴッタ煮情報」を掴んで、自分たちが生き抜ける道を探していたのだ。

4.情報は自分の「生き死に」の糧となる

・鎌倉の人々や幕末維新の頃の人々も、情報こそが自分の「生き死に」の糧だということは知っていた。

・伝達手段が限られていた時代、必死さは、現代の比ではなかったと推察できる。

・一方では「ガセネタ」に振り回されて、痛い目にあった人もいた筈だ。現代に生きる我々が同じ過ちを犯していないと断言できない。

・もしかすると大量の情報に慣れすぎて、その中から生き抜く糧を見つける情報分析力は、先人より劣っているかも知れない。