4. マインド・マッピングとマンダラ思考法が創造力を生み出す
トニー・ブザンのいう「文章の型ノート」、今泉浩晃氏のいう「ノートの罫線」こそが、直線的思考を強制するものであり、自由な発想を阻害するものであったといえます。
マインド・マッピングは、中心となるテーマの周りに放射状の枝を出し、その先にいくつかのキーワードが結合されていて、思考の構造全体をあらわすものとなっている点で、その基本的な考え方は、マンダラ思考法と一致しています。
マインド・マッピングは、イメージの赴くままに自由な数に分岐して自由に広がっていき、紙面いっぱいに思考が展開していくといった手順になります。大きなテーマの場合には、模造紙のような大きな紙を使用することもあります。
これに対し、マンダラ思考法では、縦横3列に並ぶ9画のマンダラ図形を一つの思考のユニットとして、それを必要な数だけ作成することになり、思考を重ねていくといった手順になります。
どちらがよいかは、使う人や取り扱う問題によって異なるでしょうが、マンダラ思考法の場合は、思考にある枠を設けることで、その枠が逆に思考をまとめる作用を自動的に生み出すことにもなっているように思います。
つまり、発散思考と同時に収束思考を自然に実行できる仕組みが備わっていると考えられます。また、限られた範囲で考えればよいといった安心感(リラックス)を同時に、8つもの答えを要求されるといった緊張感(ストレス)を受けます。マンダラ思考法には、創造性発揮の条件がそのシステム自体に組み込まれているということです。
マインド・マッピングもマンダラ思考法も次ぎから次ぎへと思考を展開しながら思考を進めていき、最後はテーマに対する解決策が図示されることとなります。したがって、発想や思考の結果を図解する、いわゆる図解思考法(図解発想法)というグループに属するものと考えることができます。