2.モノ、コトと目的、手段の性質 イメージ

 モノ、コトは何らかの目的があって存在するものです。目的は、人間の都合で決められるものですから、世の中の変化に応じて変わります。目的自体には、制限はありません。しかし、その目的を果たすための手段を講じる段階では、コスト、時間、場所等の制約条件が加わることになります。

  目的+制約条件→手段

 ある課題の目的が果たせないと問題が生じます。目的を達成することのできる手段が見つからない場合や目的に対する手段が不適切な場合に問題となります。つまり、課題や問題を解決するとは、モノ、コトの目的と手段との整合性を徹底的に考えることであるといえます。課題や問題を解決することが生きることであるとすれば、生きるとは目的と手段の整合性を検討することといえます。仏教を問題解決学と捉える考え方もありますが、その意味が実感できます。

 ところで、技術は目的と手段との体系からなっているといわれますが、これは技術だけの問題ではないことに気がつきます。技術といっても人間の都合による問題解決の一つの形態であることに変わりありません。この世のモノ、コトは人間の都合で生じているわけですから、何らかの目的があり、それを達成するための手段があり、これらが複雑に関連し合って成立しているという構造は、すべてのモノ、コトに共通する概念といえます。

 つまり、すべてのモノ、コト(技術開発、発明、アイデア提案、企画等)は目的と手段の関係で捉えることで、表現することができ、考えることができ、解決することができ、評価することができることになります。