4.課題の階層性
私たちがかかえている問題を解決するとは、目的に対する適切な手段を考えることと同じです。
迷ったら元に戻ることが大切です。問題が生じることになった元々の課題は何かを問うことから始めます。課題は最上位の目的とも考えられますが、目的と手段の系列とは別に設定されることが通常ですので、ここでは課題を目的とは別のものとして考えることとします。
課題にしても、実は主題、副題というように、主要な課題、副次的な課題や本質的な課題、付随的な課題が考えられます。 たとえば、「経済の変化に耐えられる企業体制の確立」という主題に対して「生き生きした企業の活力を感じられるようにする」という副題が考えられます。ここでの主題はタテマエ、副題はホンネという関係で捉えることができます。
実は、課題自体、人間の都合で人間のために何かをするということですので、論理的な課題の表現の裏には、感情的な気持ちの問題があるはずなのです。ですから、課題(タテマエ)が与えられた場合には、課題を出した人の気持ちを考えてその気持ちを言葉で表わした副題(ホンネ)を掲げることは、重要な意味があります。
一般に主題は副題の上位概念、副題は主題の下位概念と考えられていますが、主題は論理的な課題、副題は感情的な課題と考えると、両者は並列概念(同位概念)であるともいえることになります。思考を巡らせるという原点に戻って、上下左右、四方八方に考えることにすれば、課題も例外でなく、上位の課題、下位の課題、並列関係にある別の課題が考えられるということになります。