5.目的と手段の性質
一般に、課題や問題として掲げられるものは、その目的がはっきりしていないことがあります。したがって、課題解決や問題解決の最初にやらなければならないことは、その課題や問題の目的をはっきりさせることです。
先に、課題や問題自体にも階層性があることを確認しましたので、この目的を捉えるにも、目的と手段との関係を解明すればいいことがわかります。そのためには、「何のために?」という問いをすればいいことになります。ただ、その答えは一つでないことも私たちは確認しましたので、たくさん答えを出してみることになります。
目的と手段は相対的なものです。最上位の目的から見れば、それまで目的と思っていたすべてのものが手段になります。ということは、ここで出したたくさんの答え(目的と思っていた内容)は、それぞれ目的と手段という関係で表現できることになります。出された多くの答えを目的と手段との関係でつないでいくことにより、それらの関係が目に見えるようになります。
その系統図(これを目的手段系統図といいます。)を見て、解決のための行為を起こすに適当と思われる具体的な表現がなされている答えを選択し、その答えを対象とする課題や問題の本質的な目的として採用することができます。目的手段系統図は、手段が目的に適合しているか否かを確認するためにも使用できます。(次ページへ続きます)