あとがき

”企業の過度な効率主義とノルマによるリストラは、リスクを負う”、と言う

  久里谷(故人)さんと篠原さんの両人が危惧されていてことが実際に起きている。発明くんが、リストラの原稿を整理している最中にも企業の不祥事が新たに起きている。

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◆ .2022/06/23朝日新聞朝刊 けいざい+

三菱電機の「改革」 上 ソニーが手本 リストラ懸念も

三菱電機ではここ数年、社員の過労自殺死や品質管理の不正といった不祥事が、次々と発覚。背景に「『上に物が言えない』という閉鎖的な企業風土があると指摘されてきた。新社長の初心表明で「誰もが自発的に行動できる風土を醸成し、仲間や組織としての一体感、心を震わせるような共感を呼び起こしながら、力強く前進できる会社を創っていきたい」と訴えていたという。つまり、経営トップが現場との距離を縮め、社員の自発性を引き出すという趣旨である。(原文)
<自信を喪失し、実力を発揮できなくなった社員たちの心の奥底に隠された『情熱のマグマ』を解き放ち。チームとしての力を最大限に引き出す>著書:「ソニーの再生」

ソニーの改革は、当然ながら人員削減などの痛みが伴っていたはずだ。三菱電機社員は、「リストラありきの改革基本を押し付けようとしているのでは」、という不安を抱えている心情も取材されていた。

◆ 2022年9月4日朝日新聞

日野自、来夏まで生産停止排ガス不正車種 小型、来月再開見込む

日野自動車がエンジンの排出ガスの不正問題を起こした中型トラックなど、一部車種の生産を少なくともあと1年止めることが分かった。これまで不正問題で出荷を止めているトラックについて、生産停止期間の見込みを明らかにしていなかった。対象車種は出荷再開にむけて国土交通省の許可を得る為の試験などに時間がかかると見込む。取引先の部品メーカーなどの業績への影響も大きくなりそうだ。

◆ 2022年9月30日朝日新聞

かっぱ寿司社長ら逮捕へ はま寿司の元取締役 はま寿司の秘密 不正取得容疑

回転ずし 大手「かっぱ寿司」を運営するカッパクリエイト(本社・横浜西区)の田辺公己社長(46)が、競合する大手「はま寿司」の営業秘密を不正に取得した不正競争防止法の疑いがあるとして、警視庁は29日までに田辺社長ら3人の逮捕状を取った。30日にも逮捕する方針。法人としてのカッパ社も同容疑で書類送検される見通し。

”今の日本人は、インテリジエンス能力を身に付ける努力が足らない”と言う、

インテリジエンスについて、これまでは何となく分かっていたつもりでいたが、下記のテレビ番組で、インテリジエンスとは何か、その具体的なことが見えた気がする。発明くんは、このテレビ放送を観るにあたって、先ずは時代背景(歴史)を知ること、そして

登場する人物の、1.情報収集能力と分析能力 2.課題解決策を模索する創造力(想像力) 3.意見・考えの違いがある人との対話力 4.協力者の支援が得られる人間力と説得力 5.行動を起こす勇気と実行能力などに焦点を当てた。

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◆ 2022年10月01日NHKBSプレミアム 7:30~9:00(後編)

日中2000年 戦火を越えて、周恩来の決断 田中訪中の真相(後編)
”民を似って、官を促す”

周恩来首相は、日本への留学経験があり、戦後日本の経済を支えてきた日本の「ものつくり技術」を高く評価していたという。日本からの技術支援を受けるには、先ず、「日中国交正常化」が必要である。

一方、日本は先の侵略戦争で中国へ与えた甚大な被害に対する中国への損害賠償問題を抱えており「日中国交正常化」の道のりは遠かった。

そんな状況の中でも、一部の知識人たちの努力で「日中文化交流」が行われた「日中文化交流」に携わっていたのは文化人だけでない。大陸に渡り、様々な思い入れを持つ政治家や官僚、更に経済人達も支援した。

対米従属の岸政権になると、この「日中文化交流」は中止された。しかし、その後、中ソの国境問題で起きた「中ソ紛争」が、この流れを変えた。アメリカが「対ソ」対策として中国へ接近した。

日本は、アメリカに気兼ねすることなく「日中文化交流」を復活することができた。そして、損害賠償金は請求しないという中国政府の見解のもと、「日中国交正常化」への道が開けた。ここから「田中訪中の真実」について話が進む。

その中で、田中演説の“~大変な迷惑をおかけした~”という曖昧な言葉の軽さが中国側を不快感にさせたという語りがあった。田中(総理大臣)を支えてきた大平(外務大臣)が、中国の渉外責任者と翻訳者に対し、田中(日本)の本意は、“・・・・・・・・・・”である、と伝えている映像があった。

発明くんが思うに、日中お互いの背景と言った全体から語れる論理力、そして分かりやすい、誤解を生まない(翻訳しやすい)責任のある言葉で、伝えていたに違いない。なぜなら中国側は大平さんの一言、一言に頷いていた。いまの政治家たちは、背景の違う人達を納得させるインテリジエアンス力をお持ちであろうか。

因みに「前編」は、2022年9月24日 7:30~9:00に放映された。

新事実!戦争後国交回復の物語 白村江戦後の遣唐使 則天武功の意外な思惑 足利義満の屈辱外交の謎 徳川吉宗と康熙帝 (こうきてい)秘話 国交なき沈黙外交とは 中国新発掘 ▽浅田次郎

◆ 2022年10月8日 NHKテレビ 4:20~6:00

ニッポンに蒸気機関車が走った日 鉄道開業

▽西郷対大隈

大熊重信は鉄道の推進で伊藤博文の支援を取り付ける。伊藤博文は、イギリスへの秘密留学(*)で蒸気機関車によるイギリス経済(西洋文明)の発展を目のあたりにしている。

(*)幕末に長州藩から派遣されてヨーロッパに秘密留学した、井上馨、遠藤謹助、山尾庸三、伊藤博文、井上勝の5人の長州藩士。

西郷隆盛は、日本武士を中心とした新しい国作りを目指しており、日本人が西洋文化に憧れ、何もかも西洋化(西洋かぶれ)することで日本の美が失われるという危惧を持っていた。

▽蒸気機関車は海上を走った

品川の地にある薩摩藩の反対で、陸上鉄道の建設は困難となった。海上に鉄道を敷くというアイデアが井上勝から提案された。井上勝は伊藤博文とイギリスへ秘密留学した「長州フアイブ」の一人である。井上勝はイギリスの鉄道工事に従事した経験を持つインテリジェンス能力の高い日本人初の鉄道技師である。

鉄道は欧米の植民地化が目的で投資と経営権は欧米側にあった。しかし日本は、投資は受けるが経営権は自国で、というイギリスの提案を受け入れた。機関車はイギリスからの借り物である。

海上鉄道の工事は、難工事であったが日本の土木工事技術(築城・堤防)で完成させた。日本の技術があればこそ日本が経営権を持つことができたとも言える。現在衰退している日本の経済を復活させるヒントがこの辺りにもありそうだ。

▽琉球王国の消滅

鉄道開業を機に明治天皇は、琉球公子伊江(蒸気機関車への試乗招待を受けて感動していた)を皇居に出廷させ日本の華族に拝命し、琉球は日本であることを宣言した。 沖縄県の誕生である。この時点で琉球王国は消滅した。(発明くん2022/10/26)