インテリジエンス

(故)久里谷美雄さんの遺稿を整理し、纏めている最中で気づかされたことがある。それは、IPMAで大変お世話になっている篠原さんも、久里谷さん同じようなことを考えていたことである。そこで篠原さんの書き物(ブログ等)を読み返し、整理して纏めてみた。取り挙げる内容のキーワードは、「リストラ」と「インテリジエンス」とした。書かれた時期は2005年~2007年である。篠原さんは、世界へ「物、事、考え」を誤解なく伝える為の、翻訳しやすい「平明(文明)日本語」の必要性を訴え続けている先人であり、発明くんの師でもある。

篠原 泰正のプロフィル紹介

学生の頃、一年以上、日本語を話す機会が全く無かった環境で世界の多様性を実感する。1980年前半、勤めていた日本企業のプロジエクトで、シリコンバレーのソフト会社にアプリケーションソフト開発を委託し、野心的なシステム開発に取り組んだ。システムの狙いや概念の討議とプロジエクト推進で苦労した。

1990年第前半から中期にかけて、シリコンバレーに本拠を置く外国資本の会社で、日本地域担当重役として働いた。これまでの経験の何倍もの重圧で「英語」がのしかかってきて、ビジネスの基本は「英語」であるということを、嫌と言うほど思い知らされた。

(*)特許翻訳に関する問題点と改善策を提唱した書籍やレポート類(膨大な量)をIPMAのHPへアップしていますので興味ある方は訪問してください。(発明くん)

目次

序文:「日本型」と「欧米型」の企業文化の違い

  • 01. 欧米企業での製造従事者の階級は低い
  • 02. 欧米企業は傭兵の集まり、あるいはプロ集団

第1章 リストラ編:「経済成長」から「知性成長」へ

  • 01. 過度な効率主義とノルマによるリストラは、リスクを負う
  • 02. 隆盛を誇った「物作りジャパン」と、その崩壊
  • 03. アメリカ流のレイオフは、安易な会社経営である
  • 04. 安易なリストラは、会社をしに至らせる病となった
  • 05. リストラの嵐が、アメリカ製造業を衰退させた
  • 06. リストラの歴史

第2章 インテリジエンス編:情報の収集と分析が基本

  • 01. 情報は会社経営に欠かせない資源である
  • 02. インテリジエンスの基本は、全体を眺める能力
  • 03. 研究開発(R&D)部門に不可欠なインテリジエンス能力
  • 04. ブェネチアは、インテリジエンスの手本
  • 05. 「華僑」の情報網は、インテリジエンスに価する

第2章 インテリジエンス編:日本人のインテリジエンス能力

  • ―日本人は、なぜインテリジエンス力が弱いと言われるのかー
  • 01. 歴史から見る。日本のインテリジエンス
  • 02. インテリジエンス、あるいは戦場からの報告
  • 03. 特許仕様書(明細書)から見える、日本の「インテリジエンス度」

   あとがき

  • 01. 直近の新聞記事を読むと日本企業の不祥事関連の記事が多いが・・
  • 02. テレビ放映から見て取れた、現代日本人のインテリジエンス不足