この記載様式があるため、「技術開発の過程をそっくり文章にしたら明細書ができ上がる。」(「特許明細書なんかこわくない!!」、山田康生著、(社)発明協会発行)といわれたりすることがありますが、すべての発明がこの順序にそって完成するものではありません。
たとえば、解決した結果が当初の期待した効果と異なってしまうことがあります。このような場合には、その解決手段と解決結果を他の目的に適用することで新たな発明が完成することがあります。
この場合には、「発明の構成」→「発明の効果」→「発明の目的」の順序に説明する方が自然です。
また、優れた効果を有する手段が確認できている場合にその効果を有効に発揮できる新たな用途を見つけ出して、その用途に最適な解決手段を考え出すことで発明が完成することがあります。
この場合には、「発明の効果」→「発明の目的」→「発明の構成」の順序に説明する方が自然です。
したがって、すべての発明を特許法が要求している特許明細書の様式に従って説明させることには、無理があります。