2-5. 従来の発明提案書の問題点

特許明細書の様式
(特許法施行規則第24条様式29)

技術情報を開示した「発明の説明書」の部分

  ほとんどの会社の発明提案書は、特許の専門家であるその会社の特許担当者が作成したものと思われます。その発明提案書のスタイルは、特許法の施行規則で定められた特許明細書の様式に合わせたものであろうことが想像できます。

ここにいくつかの問題があります。

  まず、そのような発明提案書で使用されている説明文には、法律用語や特許業界の慣用語が使われていることでしょうから、技術の専門家である発明者にはわかりにくい取っ付きにくいものとなっています。結果として、何を書いたらよいのかがわからず、様式だけを提案書の参考例をまねて発明の説明が十分になされていないものが提出されることになってしまいます。

また、特許明細書の様式に合わせた発明提案書では、特許法施行規則第24条様式第29で規定されている記載方法に従い【技術分野】→【背景技術】→【発明が解決しようとする課題】→【課題を解決するための手段】→【発明の効果】→【発明を実施するための形態】という項目と順序を採用しています。

  つまり、特許明細書の様式に合わせた発明提案書では、「発明の目的」→「発明の構成」→「発明の効果」の順序に説明することを求めています。