2.脳の階層構造 イメージ

 1:8のフラクタル思考が人間の感覚や能力に則した思考法ということであれば、人間の脳の仕組との関係が知りたいとこです。私は、澤口俊之氏が発表された「心・意識の生物学的な脳モデル(多重フレームモデル)」を知ったときに、それがフラクタル思考のことを説明されているのでないかと思い違うほど、フラクタル思考とその脳モデルの仕組が似ていることに驚きました。「心・意識の生物学的な脳モデル(多重フレームモデル)」の詳細については、澤口俊之氏が書かれた「『私』は脳のどこにいるのか」(澤口俊之著、筑摩書房発行)という本を読んでいただければと思いますが、ここでは、フラクタル思考と直接関係のあるとことだけを引用させていただきます。

参考

 知性をより大きな心の単位として考えれば、各知性はより細かな単位、すなわちモデュールからなる。そして、各知性は階層的な構造を持つ。たとえば、言語的知性をとっても、視覚や聴覚情報を入力するモデュール、単語を識別するモデュール、単語の組み合わせである文章を理解するモデュール、さらには構文化して言葉として出力するモデュールなどが、階層的に働いて実現されている。つまり、複数のモデュールが階層的に配列して、ある知性を形成する。こうした知性が多重して心をつくっていることになる。」と、知性の階層的構造が説明されています。

 「要するに、知性に代表される心にしても意識にしても、要素的心・要素的意識(小さな心・意識)の複合体であり、各要素はさらなる要素に分割できるという『入れ子構造』になっているのである。」と、知性、心、意識のフラクタル構造が説明されています。