7.知識の獲得
ある知識がわかるためには、その知識を獲得した人と同じことをしなければなりません。その人の行為をトレースしなければわからないということです。トレースといっても、形式的なトレースであっては何もわかりません。わかったつもりでいるだけで終わってしまいます。講義一辺倒のセミナーを聞いてもよく理解できないのは当たり前です。
セミナーに参加するのであれば、行為がトレースできる演習が組み込まれているものを選ぶのがよいということになります。わかるためには、少しずつなんでそうなるかといった疑問をぶつけながらトレースすることが必要となります。そうすることによって、その人とは違った部分でその人とは違った問題にぶつかり、そこで自分自身で試行錯誤することになります。
要するに、自分が理解し易いように、内容を修正しながらトレースしていることになります。つまり、自分の言葉で表現できることが大切なのです。自分の言葉で表現できれば、その知識が理解できたことになります。
自分にとって新しい知識を理解しようとする場合に、フラクタル思考は最適です。なぜなら、フラクタル思考のフォーマットでは、教科書で読んだその文章をそのまま(時系列のまま)書き取ることはできません。そこで、どのようにその文章を分解し、分解した要素をどの位置に書き込むか。あれこれ考え、最もしっくり来るような配置を考えなければなりません。書き込んだら終わりではありません。教科書で確かめることなく、自分で作ったMCだけを見ながら、まず自分に説明してみることです。
MCのセルに書き込める文字数には制限があるからいいのです。小さなセル(フロッピーサイズのMCの場合は1セルの大きさは3㎝×3㎝)の中に長い文章は書き込めません。当然キーワードの羅列や単文にならざるを得ません。したがって、一つ一つのセルの記載がわかりやすいのです。自分に説明するときは、そのキーワードの配置された状態をみながら、自分で文章を組立てなければなりません。そこに、自分だけの理解の仕方が生まれ、結果として確実に自分の知識となります。