4.知財の安全を確認し、事業の優位性を確保する

知財の安全を確認し、事業の優位性を確保する

孫子いわく、“自分を知れば勝負は五分五分である。相手を知れば優勢になれる”

「知財経営」の目的のひとつは、知財の安全を確認して事業の優位性を確保することである。つまり自社と他社の技術を比較して、自社が自由に開発できる技術領域を確保し、差別化技術を生み出すことである。

それには特許調査が必要である。つまり自社と他社の技術比較である。まずは自社情報の分析と整理を行い、次に他社情報の分析と整理を行う。そして「要素技術(*)」毎に比較をしていく。特許調査をすることで他社への特許侵害を防ぐことができ、かつ自社の発明技術が強固にすることができる。

特許出願するからには、出願目的がある

特許は実施権や他社からの侵害を防ぐ排他権だけが目的ではない。特許が持つ「共生(協創)」と「戦い」の両面から運用し、更に「実施権、排他権、先使用権、不正競争防止法」の使い方を一体とした「特許出願戦略」を立案し、策定しなければならない。

最悪の「特許出願戦略」は、出願件数だけを追いかけ、バラバラに出願し、管理して消滅していく場あたり的な特許出願である。特許は個別評価でなく相対評価をすべきである。