6. 会社から消えていく記憶を「共有・伝承」させる

会社から消えていく記憶を「共有・伝承」させる

失われていく会社の「記憶力」と「創造力」を文書で残し、次世代へ伝承させていく仕組み(知的基盤)つくりが重要となる。それには社内文書の作成規定(文書様式)を整えるなどの準備が必要である。つまり、文書の品質管理システムを構築することである。自由勝手に書かれた文書(情報)であれば社内で共有することは難しい。

文書(情報)を蓄積することで会社の「知的基盤」が構築される。この「知的基盤」を社員が共有、強化する(使いこなす)ことで先人たちの知恵が伝承される。さらに様々なトラブル(製品苦情、特許係争、模倣品被害、技術流出など)が生じても問題を解決する証拠資料となる文書にも成り得る。

戦略と戦術の違い

戦略は本社事業部が事業計画を策定し、大きな目的を達成するための大方針であると考える。一方、戦術は現場で成果を上げさせるためのマニュアルを作成し、実行させることである。戦略が上位にあり戦術が下位にあるとすれば戦略の拙さで現場の人間は疲弊を起こす。

特許法に関連する法律(不正競争防止法、独占禁止法など)を正しく理解し、間違えを起こさずに運用するノウハウは、戦術に該当する。数ある戦術の中でも特許明細書の作成は、戦術を支える最強の武器である。

特許の世界は“特許明細書に始まって、特許明細書で終わる”といわれている。また、知財業務毎の「知財マニュアル」も必要となる。これら「知財マニュアル」は戦術書にあたる。