9. 特許の出願は、いつでも出したいときに出せる自由がある

特許の出願は、いつでも出したいときに出せる自由がある

発明技術が生まれたらすぐに特許を出願しないと「ダメ」という規定はどこにもない。例えば、基礎発明が生まれて実用化に目処が立つのに10年、量産化して事業展開が出来るようになるまで5年、合わせて15年を費やしたら基礎発明の特許を独占できる期間は僅かしかない。このサイクルでは研究開発費の投資が回収できなくなる。

事業展開の見通しが立ったところで、特許を出願するという「特許出願戦略」があってもおかしくはない。発明技術を開示しない間は「守秘知財」として管理すればよい。理想は、技術開発と商業化が一体(*)になっていることが理想である。(*)パテントレビューともいわれている。

基本特許だけで、商品は作れない

基礎発明には、用途がまだ明確でない原理的な発明技術が多く存在する。しかし、その原理が公開(明確)されることで、いろんな用途技術が開発されていく。つまり、社内外に関係なく、いろんな人たちが様々なアイデアを出しながら、その発明技術を使って新しい商品を開発していくことになる。

すなわち、基礎発明だけの段階では、商品を世に出すことは難しく、後年に基礎発明を使った商品が市場に投入された時に、やっとお金になるという構図である。その時に、お金が稼げる「知財戦略」が策定されていれば会社は必ず強くなれる。