16.「知財戦略」の実践

孫子いわく“それいまだ戦わずして、廟算勝つものは,算を得ること多ければなり。いまだ戦わずして廟算勝たざる者は、算を得ること少なければなり。算多きは勝ち、算少なきは勝たず。しかるをいわんや算なき於いてをや”

戦うか否かの会議において重大ごとを決める会議は君主、重臣が出席し先祖の御霊が見守る廟のまえで行われた。これを廟算という。幾つかの勝てる条件を決め、自分と相手のどちらが優れているかの比較である。孫子は「七計」での比較を説いている。現在では「七計」だけでなく比較する条件が他にもある。

「知財戦略」の策定は「事業推進部門、技術開発部門、知的財産部門が「三位一体」となり策定するものである。そして必ず文書にして残し、上から下まで徹底させることが大事である。

「知財戦略」の策定は、当初から「グローバル化」を想定し、入念かつ厳密に議論することである。本社の共通の方針として決めたことは海外の出先の反対にあっても、そこだけを例外扱いをしてはならない。

「戦略」と「戦術」を混同させないことである。それを認めたら統制が利かなくなる。現場は生じた問題に対する戦術を考えるべきである。議論を嫌って場当たり的な対処は絶対にしてはならない。