3.特許明細書は技術の説明書文書

特許明細書は技術の説明書文書

問題の本質は、我々日本人が世界へ発信する言語、あるいは文書に対しての無関心である。つまり日本語が技術の説明に適さないということを見過ごしていることにある。

このまま放置すれば、日本特許明細書はガラパコス状態になりかねない。特許文書は“技術文書と法律文書が入り混じった特殊な文書である”という誤解が、混乱を招いているのではないかと思う。

技術は、まさに文明である。我々日本人は世界へ「物・事・考え」を伝えるための「文明言語」で技術を説明する必要がある。つまり日本語の段階で他言語と互換性がとれる特許文書でなければ正しい翻訳は難しい。グローバル社会での「知財係争」となれば、つまるところ言語の戦争となる。

翻訳者は原文に対して忠実翻訳するしかない

「日本特許明細書」から外国特許明細書への翻訳〔転換〕は困難な状況にある。海外の人々から理解が得られない特許明細書は、日本の国益を大きく損ねることになる。

「特許英語」は難しい、という先入感があるが、米国企業の「米国特許明細書」を読んでみれば、難しくないことはすぐ理解できる。