4.「日・日翻訳」の作業は非効率で誤訳を招く

日・日翻訳」の作業は非効率で誤訳を招く

外国語への翻訳が難しいのは、オリジナルである日本語で書かれた「日本特許出願明細書」の記述を読み取ることにある。これは確かに「難しい」。これは確かに「難しい」。

例えば「日本特許出願明細書」を「米国特許出願明細書」へ翻訳(転換)する難しさは英語にあるのではなく日本語の「読解」が難しいところにあるのは間違いない。

翻訳者のエネルギーの多くが、この「読解」にあてられている。日本語を母語としている日本人翻訳者が、その日本語の「読解」に苦労しているのが現状である。

「日本特許出願明細書」に書かれている日本語が意味不明のものであれば、翻訳者の腕が、どんなに良くても明快で伝わる外国語へ翻訳することは難しい。

文明言語で、世界へ「物・事・考え」を伝える

誰からも理解が得られやすい「特許明細書」を作成するためには、二つの要素が欠かせない。ひとつは、論理的に「文書」を構成(展開)することである。もう一つは、論理的に「文章」を記述することである。

日本特許明細書の英語への翻訳が難しいのは上記二つの要素が適合していないからである。特に、文書を論理的に作成するという「建築」訓練を受けていない人が案外に多い。

世界の人々に何ごとかを伝えるためには、好むと好まざるに関わらず、論理的に明快に記述する能力を高めなければならない。我々日本人は、この世界の共通事項を論理的に明快に伝えるたには、「文明日本語」を持つことが必要である。