7.技術の説明に欠かせない論理力

技術の説明に欠かせない論理力

製品は、システム、ブロック、ユニット、パーツから構成されている。開発者は、夫々のテリトリー内で製品開発に必要な技術課題を解決していくことになる。チームの場合もあるが個人の場合もある。

開発者は、これまで蓄積してきた知識(公知技術)や経験(ノウハウ)を元に“頭”を使い“手”を動かし“勘”を働かせ、様々な技術課題を解決する技術手段を生み出している。このプロセスを文書化して提出するのが発明届書(発明提案書)である。この発明届書の「質」が特許明細書の「質」に繋がる。

特許の出願は量から質へシフトする

特許出願件数だけを競う大手企業は、無意味な出願件数のノルマをこなしながらコストダウンを推進する矛盾を抱えている。この状態では、いつまで経っても日本特許明細書の品質は上がらない。特許事務所も質の高い特許明細書の作成にエネルギーを掛け、遣り甲斐を感じて、それ相当の対価を頂きたいのが本音では無かろうか。これが「知的財産業界」のあるべき本来の姿である。

膨大な時間とお金をかけて開発した発明技術を欠陥ある特許明細書へ作成されたのではたまらない。これまでの苦労が文書作りの段階で全てを台無しにされては会社も発明者も浮かばれまい。代理人は、まさにクリエイターの仕事である。それ相当のエネルギーを掛け、適切な対価も得るべきである。