Ⅳ、知的財産の仕事が「好きだ」という人材を求める
1、知財の仕事は、グローバル社会で必要な能力が身につけられる
ドラッカー(P.F.Drucker)が「断絶の時代」の中で、知識社会(知識経 済社会)が到来している、と述べている。『知識社会では、資本金、設備、土地などの有形資産に変り「知識・情報」が経済価値を生み出す主要な源泉となり、教育水準、業務プロセス、知的財産権、外部との結びつきなどの無形資産が価値 形成に大きな比率を占めるとされる。特に知的財産権は事業競争戦略上きわめて重要である』、と
知財部門は、『知財業務に関わる全ての管理と運営責任を負う』。『会社の経営方針に沿った「知財戦略」を策定し、経営陣、事業責任者、開発責任者の決済を得て「知財戦略」を推進する』。『関係者への「知財教育」を切れ目なく実行し、会社経営に取り入れた「知財経営」の重要性を認識する』そんな役目を持った極めて重要な部署である。
知的財産を重視した「知財経営」の時代で、知財マンへの期待は大きい。知財マ ンに求められるスキル(能力)は多岐分野にわたり、しかも奥行きが深い。能力が高い知財マンであれば活躍する場所は、沢山ある。知財業務、知財マネジメントで習得できる能力は、
- 必要情報を収集して分析する情報力、
- 考えを整理できる論理力と思考力、
- 技術への理解力と知財つくりの応用力、
- 何かを生み出す独創力と創造力、
- 人とコミュニケーションが取れる対話力と人間力、
- 文書の「読解力」と「作成力」
- 世界と橋渡しが出来る 語学力
- 「知財力」は、言うまでもない
知財業務の領域は広い。内外国への出願、内外国の特許調査、技術者への知財支援、外部との交渉と契約、外国語への翻訳、知財管理、そして係争といった具合に多種多様である。