―楽しみにしているテレビ放送(BS)は、「ちいさな村の物語 イタリア」―
『美しく生きるということ.・・・・。気候や風土に逆らわず共存しながら暮らす。先人達が築き守ってきた伝統や文化を誇りに思いながら生きる。人間本来の暮らしが息づく「小さな村」が注目されています』。(BS日テレ番組から引用)
1996年、私はスペインに移住している真覚さんへコーデネィターをお願いして欧州共同体商標庁(アリカンテ市)を訪問したことがある。訪問目的は,日本人も欧州共同体商標制度を利用し商標権を獲得できるという新制度に関する情報収集であった。
この時に「アリカンテ」だけでなく「マドリッド」、「トレド」の街を歩いたが、何とも言えな心地よさを感じた。カラッとした青空だけでなく、バルで過ごした心地よさ、市場での活気、スペイン人の陽気さと人懐こさに惹かれ、瞬く間にスペインが好きになった。
後年、カミサンと一緒にスペインヘ行った。真覚さんがレンタカーを手配してくれて運転と観光案内をしてくれた。生涯忘れられない贅沢な旅行であった。訪問先は、真覚さんが住んでいる「マラガ市」を起点としてスペイン南部アンダルシア地方、グラナダ、ゴルドバ、白い街・・・・まさに太陽と情熱の国である。様々な文化遺産は、見応えがある、という単純な言葉では片づけられるものではない。
スペイン人は、お金を使って物質的な豊かさを追求するよりも、経験や体験を重視しているように見えた。私が好きなテレビ番組である「小さな村の物語 イタリア」と何かしら共通するものがあると感じた。
真覚さんが言うには、「スペイン人とイタリア人はラテン系で、中でも田舎暮らしをしている村人には似ている文化があります。それは、調子が良い時も悪い時も、いつも誰かが居るということ。つまり日々を楽しく暮らせることです」。つまり、家族との生活が最優先であり、一番大切にしているとのことで、その生活を守る為の収入さえあれば良いわけで、その生活が犠牲になるような働き方は望んではいない。
その話から飛躍してアングロ・サクソン系人とラテン系人の「物の考え方や観方」の違いや「価値観と気質」の違いまで話が及び、改めて言語の成り立ちについて関心が益々強くなった。このテーマに取り組んできた篠原先輩のブログから拾いだしのが、第2部 「近代文明とラテン文化」である。(矢間伸次 2024/05/03)