6、欧米人の「モノの見方や考え」の違い

私は、前の会社で海外向けのサービス部品の手配をしていたことがある。 「海外技術サービス部署」には、海外駐在員から帰国したサービス技術者達が在籍していた。現地女性を嫁にして連れて帰国した強者もいた。彼等から日本人と外国人の気質の違いを機会あるごとに聞かされてきた。

『ドイツ人は、約束、時間に対して非常に厳しかった。約束したことが守れないと、なぜ遅れたのかを問い詰められた記憶がある。例えば手持ち部品が無くて取り寄せ時間を要したことで迷惑をかけたことを詫びても”なぜ“そのようなことが生じるのか、その理由を論理立てて説明しないと納得はしない。確かに“なぜ?”を追うことで、当方の部品管理の杜撰さが浮かび上がり、改善する事項が明確になり、我々サービスマンの負担が軽くなったことには感謝している。

一般的に述べれば、ドイツ人の多くは個人主義で自分の意見に対する信念を貫き、集団の和を重んじる社会ではないようだと感じた。しかし忖度したり、空気を読んだりすることはないので、余計な気を使わないでよく、プライベートでの付き合いは楽しかった。ただ、他人の心を傷つけるような発言をすることが時々あった』。独から帰国したOさんから聞いた話のまとめ

『オランダ語は、喋れなかったが、英語が通じるので困ることはなかった。社会全体に英語が普及しているな、という実感はある。それから日本人に対しては非常に親しみを持ち、好意的に接してくれているので仕事はやり易かった。オランダと日本は江戸時代から交易があり、オランダ商人やオランダ医学の関係者達によって、日本人の他人を思いやる温かい心、秩序ある日本人の生活ぶりが伝え続けてきたからだと思う。 一般的に述べれば、オランダ人は多様性と自由を尊重し平等感を持っているようだ。一方、言語は明確な表現を好み率直に自分の意見は述べていた』。 蘭から帰国したNさんから聞いた話のまとめ

『カナダは、他民族国家で多様性を受け入れてくれているので日本人であることを強く意識することは無かった気がする。カナダ人は人懐こくて穏やかで礼儀正しいいと思う。半面、時間に対してはとてもルーズで大雑把、約束やルールもあんまり気にしないので、自分はマイペースで仕事をしていた気がする。ちょいとしたことでもすぐに“Sorry”と謝るから、こちらも”ごめんなさい“で解決』。カナダから帰国したSさんから聞いた話のまとめ