第二部:近代文明とラテン文化
 篠原ブログ1~20)

2023年は、地球温暖化の影響で猛暑となった。また大雨、山火事等の気象災害も合次いだ。更に大きな戦争を抱えて2024年を迎えることになった。これからの世界は、どうなるのか?人間は、なぜ戦争するのか?戦争は悪と善の戦いでなく、お互いが正義で憎しみ合い、時には殺し合っている。つまり対立は、排除を生み、排除は恨みを生む。恨みは連鎖しておさまらない。このことは悲しき人間の性で、未来永劫変わらないであろう。今の惨状を見ると悪と悪の戦いであるとしか思えない。

対立は西洋、東洋に係わらず繰り返されてきたが、中国の古典「菜根譚」にこんな諺がある。「古人、貧らざるを、もって宝となす」。これは欲張りの心が知恵を曇らせ、善悪の判断力を失いさせ、人間を愚かにしてしまうのだ、という教訓、戒めの言葉である。

「超約・ヨーロッパの歴史 増補版」から引用:『古代ギリシャ・ローマの世界から現代のEUに至るまでのヨーロッパ文明の特徴とは何であったのか。また、その地域世界は、どのような可能性や問題点を人類社会人に投げかけてきたのか。EUが大きな曲がり角に直面し、苦悩している今だからこそ、そしてまたヨーロッパだけでなく世界全体が大きな文明私的曲がり角に直面しているかもしれないからこそ日本でもこの本が読まれるに価する』

さてPART-2は、篠原先輩がブログで発信していた「近代文明とラテン文明」を取り上げている。テーマは、ラテン文化とアングロ・サクソン文化の違いを先輩の体験から述べているので大変説得力がある。凡そこんな調子↓で書かれているので、わかりやすい。ぜひ、お読みください。

『私、篠原がスペインに遊学していた時の話である。下宿先のおじさんとの話の中で、 ”スペインには、赤ぶどう酒(vino tinto)、青い空(cielo azul)、きれいなおねえちゃん(muchacha bonita)がある。この三つがあれば人生、十分ではないか。これ以上望むのは、それは強欲というものだ”。この後、この三つを持たない「イングレスingles (英国人:正確にいうとイングランド人)」はかわいそうだ、人生の楽しみを知らない、だからあんなに仕事をして世界を支配したがるのだ、云々。イングレスの悪口が続くのだが、おじさんの話は、まことに嬉しくなるような、キリキリと世界を駆けずり回っているアングロ・サクソンや日本人にバケツで水を掛けるような爽快さがある』(以下略)