―知財関係者の方へ、これだけは言い残しておきたいー
しつこくて申し訳ないが、特許明細書は「発明技術の説明書」である。技術の説明には「文才」は要らない。 誰もが理解できる文章で書く。他言語に変換することを意識して書く。先ず、その「心」が必要である。
特許明細書は、背景(文化)の異なる人たちにも理解できるように分かりやすく明確に記述する義務と責任を負う。そのためには論理力(思考)を身につけ、記述する 訓練をする必要がある。
詰まるところIP(知財)戦争とは言語の戦争である。国際社会で使われる言語は英語である。日本にとって、これほど不利な条件で戦わなければならない例は、歴史上一度もなかった。製品の品質や価格で勝負するのとは違う舞台で戦わなければならないのである。そのためには、グローバル世界で活躍が出来る、英語にも強く、世界から情報を収集し、分析もできる「知財人材」を早く育成(*)することが望まれる。
特許仕様書(Patent Specification)は、発明技術を言語で表現したものに対して、その権利が与えられる。文明である技術を言語で権利主張するための「請求項」も規則に従って文明である英語で明確に記述するしかない。
世界の中で、ほんの少人数しか理解できない日本語で表現されていれば普遍性は得られない。つまり普遍的な権利主張はできないことになる。この現実は、英語を母語とする人々は圧倒的に有利であり、英語と同じ言語体系の西欧の人々は まだしも、全く体系(言語構造)の異なる日本語を母語としている我々日本人は、極端なまでに不利な条件を強いられていることになる。
(*)これまで知的財部門で外国関連の仕事をするには、英語ができる人が担当条件であった。“知財の仕事が好きだ”という要素は、第一条件ではなかった。しかし翻訳ソフトの進歩で、英語ができる人、という第一条件は下がる。これからは“知財の仕事が好きだ”が第一条件となる。「A I翻訳」の支援を受けながらグローバル知財で活躍ができる「知財マン」になれる時代になっている。
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