第3章 道具である英語を使いこなす
1.なぜ、英語が国際共通語としてなり得たのか
日本は島国で国土が狭くて、単民族の国であり、人と人との会話による「ウエット・コミユニケーション」が根付いており、日本語は国内ならどこでも通じる。一方、米国は他民族国家であり、雑多な人種と広い国土のゆえに日本と比べたら「ウエット・コミニュケーション」は取りづらい。その代わり「以心伝心」による曖昧さを排除した「ドライ・コミユニケーション」による技術が発達した。
その媒体として使われた言語が「英語」である。では何故「英語」がいまの位置を享受できるようになったのか。
19世紀に始まった科学技術、工業化、システム化の文明時代は、論理的で分かり易く、誤解を生まない言語が必要であった。そのニーズに適した言語が英語であった。20世紀は、英語を母語とする英国と米国が、圧倒的な政治、経済、軍事力の優越を維持し続けた世紀であった。
その結果「欧米式」のグローバル化が急速に進展した。グローバルなシステムを経営・運営するためには、そこで使われる言葉を、できるだけ一本化することが効率上必要であった。それが英語である。その結果として、唯一の国際共通語としての英語の位置は、ますます強固になる一方である。
英語習得に於いて日本人は、これまで世界の中で最も不利な条件下にあった。我々日本人が、どれほど不利な戦いを強いられているかは考えるだけでも憂鬱であった。しかし幸いなことに、「AI翻訳ソフト」の進歩で日本人の英語苦手は解消され、英語の障壁は低くなり、日常生活の中で英語が抵抗なく使われる時代なってきた。
つまり、英語は、誰もが使える道具になっているのだ。その理由は、
- 1. 英語は、「物・事・考え」を分かり易く「論理的」に伝えるのに適した言語である。
- 2. 英語は、構造的にしかりした言語で、学習しやすい言語である。
- 3. 英語は、AI翻訳ソフトの支援が得られやすい言語である。