「アイデア提案書」の場合には、現在の製品不良や時間がかかっている事務処理等の原因を追及して改善すべき問題を設定し、その問題を解決するためのアイデアを提案するとともにそのアイデアに基づいた改善活動の成果が記載されます。
アイデア提案は、その改善案が新しいかどうかよりもその効果の大小でその良否が判断されます。その比較対象はあくまでも自社の従来のやり方であり、個別的なものでもかまいません。
これに対して、発明提案では、今までにない技術を提案することであって、その比較対象は業界に存在するすべての技術ということになりますので、技術戦略の観点から体系的に取り組むことが大切になります。また、今までにない技術であるため、その実現可能性を確認する意味で試作品による評価が必要となる場合があります。つまり、アイデアを有効化する過程を経て発明が完成すると考えることができます。 発明提案書は研究者、技術者の開発の成果報告としての意味と、そこから生まれる特許出願や特許権を経営に積極的に活かすといった戦略テーマとしての意味があります。発明提案書の良否が、企業の技術開発力を表しているといっても過言ではありません。