6-11. 機能的なアプローチが課題解決に有効

技術・商品開発を行うに当たって、私たちは顧客の要求に応じた、もしくは自己の問題意識により設定した課題に取り組みます。この場合、問題を抱えている現実の世界であれこれ考えてもうまいアイデアが浮かばないことはよくあることです。

そこで、現実の世界で捉えた課題(具体的)を抽象的な機能に置き換えて、同一の機能を果たすことのできる解決案を探すことが有効であることが管理技術のVE(価値工学)で証明されています。

つまり、現状→解決案というストレートな試みではなかなか解決できない現状の問題は、顧客の要求または現状の問題を解決するために、まずこれらを課題として捉え、その課題を明らかにする(課題設定をする)ことで、
必要とする機能は何かが明確になります。

別の言葉でいうと、「要するに何をすればいいのか?」、「要するにどんな機能を果たせばいいのか?」を明確にすることです。これにより、現状のレベルより上位のレベルである抽象的な機能という概念を基準として課題を解決することで、現状では不可能であったより広範囲な発想が可能となります。

要求または現状→課題(目的)→必要な機能→発想→解決案というルートで思考を進める機能的アプローチが課題解決に有効な所以です。これを発明展開に応用すれば、解決原理(機能)を捉えて発想することといえます。