2.世界で通用する、戦える「特許明細書」を作る、

―ガラパコス化した日本特許明細書―

米国特許明細書には、なぜこの発明をしたのか、その「理念」「目的」「背景」そして「比較」「改善」さらに「方針」及びコンセプトの記述から書きまくっている。其の技術の「歴史」までも書き込むのである。

米国の特許明細書を読み、日本の特許明細書を読んでいると、米国のそれは、他人様を説得すること、すなわちこの発明はこんなに凄いのだ、と理解してもらうことに尋常ではない努力が払われている。彼らは、他人への親切心から丁寧に説明しているわけではない。

欧米人の思考は、イチかゼロかの世界だから、理解してもらえなければ、それはイコール「敗退」を意味する。特許明細書といえども、それは一つの「プレゼンテーション」であり、大げさにいえば、自分の存在をかけた舞台だから、できるだけ丁寧に、これまでの技術と違うところ、どういうところに利用価値が有るのかを説明しているだけで、彼らは人様のために気配りしているわけではない。

IP(知財)戦争とは、詰まるところ言語の戦いであるー