3、これら「調査レポート」の作成は、知的財産部門が担うべき
なぜなら知的財産部は、特許をはじめとする知的財産の「出願業務」と権利の「保全管理」だけをやっている部署ではない。知的財産部の重要な仕事に「特許調査」がある。特許調査の主な目的は,自社と他社の発明技術を比較して自社が自由に開発できる技術領域を確保し差別化技術を生み出すことである。
知財部門は、特許情報だけでなく、膨大な技術情報の中から関連情報を監視して、自社技術に結びつけて新商品開発に役立ちそうな情報を研究開発部門(担当者)へ提供するという重要な仕事をしている。つまり「多種・多様」の多くの情報と接しながら様々な調査方法のノウハウを持っている人材を抱えている部署ある。
経営上層部(事業責任者)は、IPランドスケープの実行を知的財産部に期待しているのが現状かと思う。つまり知的財産部は、会社の「情報参謀役」を認識し、その責任を果たすことで、更に存在価値を高めることが出来る立場にある。
そのためには知財部員は、情報の分析能力を更に鍛え、会社の事業戦略の立案に欠かせない人材になれる感性を鍛えねばならない立場にある。「情報参謀役」に求められる能力は、技術知識だけでなく、あらゆる情報に対する感度(感性)の高さと、グローバル社会の多様さを受け入れる柔軟性である。