4、これら「調査レポート」の種類は、大きく三つある。

「IPランドスケープ」とは、なんだ、と疑問を投げかけたからには、自分なりの定義を決めておきたい。「IPランドスケープ」とは、「経営開発情報」、「技術開発情報」、「知財開発情報」が、三位一体のサイクルで持続可能な会社を創る為の報告書である。

これらの「調査レポート」を読むのは経営上層部であることを強く意識しなければならない。例えばライバル企業A社の事業計画を知り得たとする。このA社の計画が、何処まで進んでいるのか、具体的な情報が欲しいはずだ。

会社の持続的発展を絶えず考え続けている経営陣であれば、この調査レポートをキッカケに次の行動を必ず起こすはずだ。次は“こんな情報、あんな情報”が欲しいと際 限なく言い出すに違いない。

  • 1.「経営開発情報」とは、

    第4次産業革命で、自社事業はどう変わって行くのか、その変化に対応できるのか、どのような手を打つべきかと言ったことを予知することから始まる。つまり会社の持続的発展と生き残りをかけた極めて重要な調査レポートである。経営陣、事業推 進者、研究開発責任者向けのレポートである。

    それは、自社事業のマーケテイング調査として、市場、企業、技術、知財問等の動向を調査したレポートでもある。その目的は、自社事業の優位性を確保すること、つまり自社事業の戦略を立案、策定、実行できる内容が要求される。「経営開発情報」で特許情報を使う理由は、レポートに対する信憑性の担保(裏)を取ることである

  • 2.「技術開発情報」とは

    「経営開発情報」から自社が進むべき新しい技術研究開発の領域を創出することが目的ある。つまり、その領域での技術動向や企業動向の現状分析、そして将来の技術トレンドや技術導入、あるいは技術提携先等を探索する為の調査レポートである。

  • 3.「知財開発情報」とは、

    「技術開発情報」から自社が取り組むべき技術分野での知財の創出、知財の権利化、知財の保護と活用、そして知財係争に備えての対応準備等に使う情報である。R&D部門から生まれる新しい発明技術は、夫々性格があり目的と役割を持つ。それに沿った「知財出願戦略」を立案、策定するに役立たせる為の「知財戦略情報」でもある。