3.平明で「やさしい日本語」運動に関する情報が多くなってきた

私は、新聞や雑誌などで、伝わる「やさしい日本語」に関連する新聞記事や論説を切り取って、「SCRAP Book」へ保存している。もう3冊目で、関連する情報が意外と多いことに嬉しさを感じている。「やさしい日本語」の必要性が認識されたのは1995年の阪神大震災がキッカケとなったようだ。SCRAP記事の内容を簡単に書き出してみる。

・1995年の阪神大震災がきっかけ:
優しい日本語を使った避難の呼びかけや、防災マップつくりは日本全国自治体に広がっている。政府が決めた災害時の情報伝達に関するガイドラインによれば、「やさしい日本語」を必要としていることを述べているが、実情は自治体まかせ。「いま何が起きているのか、何をしなければならないのか」を「やさしい日本語」で指示して欲しい。

・外国人にも伝わりやすい「やさしい日本語」を医療現場にも広めよう:
医療現場で日本語が不慣れな外国人にもわかりやすい「やさしい日本語」を普及させる取り組みが始まっている。問診、検査、処方箋などについて伝わる言い方を現場で試みしている。「やさしい日本語」の活用を目指している医療機関は徐々に増えている。例えば、嚥下って読めますか?。

・朝日新聞 コラム:やさしい日本語1~5(2019/07/01~2019/07/05):
「外国人=英語」じゃない/「安静に」より「走らないで」/72時間 命繋ぐ言葉たち 役所は「わかりやすい」が苦手/学校のお知らせも「優しく」

・朝日新聞 オプニオン&フォーラム 声 Voice:から投稿タイトルを抜粋
・受験で英語力を問う意味があるのか(無職)
・やさしい日本語、政府が率先して(契約社員)
・平易な日本語は、日本人にも必要(パート)
・発信は「平明な日本語」で、(元 商社会社)
・AI進歩、なぜいつまでの英語?(高校非常勤講師)
・高校の英語、文法より実用重視を(高校生)
・やさしい日本語で優しい社会に(社団法人研究員)
・どう思いますか、AI時代の語学:2023/9/6 声Voiceからの問いかけ
・・英語は、美術や音楽のような科目になる(日本語講師)
・・便利さにおぼれずに 学習に工夫を(高校生)
・・分断した世界 超えるのは言葉(主婦)

福沢諭吉:超訳!学問のすすめ

週刊ダイヤモンド 2018/12/22

日本国家を近代化へ導いたと評されている「福沢諭吉」は、長崎でオランダ語を学び、大阪の適塾(緒方洪庵)で蘭学を猛勉強して中津藩江戸屋敷の蘭学塾を開いていた。ペリー来航後、条約が結ばれ日本の17世紀以来の鎖国政策が終わった時期と重なった。

そんななか、諭吉は横浜で大きな衝撃を受けた。“オランダ語が使えない、今は英語なのか”と落胆した。しかし諭吉は、滅入ること無く英語を話せる人を江戸中探しながら、英語からオランダ語への翻訳に挑戦をしたそうだ。そして、英語の構造はオランダ語と似ていることに気づいた。さらに猛勉強を重ねた。そのことで後、幕府が派遣する軍艦咸臨丸でアメリカへ行けるチャンスをつかんだという。諭吉はこの時を含めアメリカ2回、欧州1回、随行する幸運に会えた。

生誕100年司馬遼太郎の現在地

司馬遼太郎インタビュー文科勲章受章発表の夜
朝日新聞社出版 2023年4月10日発行

この書籍の中で、司馬遼太郎さんが大阪外語大額で、モンゴル語を選んだ理由は、モンゴル語と日本語は言語構造が似ているからだと述べられている。なるほど、モンゴル出身のお相撲さんが日本語を流暢に話せる理由が分かった。司馬遼太郎さんは、日本語と英語の文章構造が違いすぎることが日本人の英語苦手を生みだしていること、そして日本の子供達への英語教育の在り方について心配されていた。

原文引用:
『日本人がモンゴル語をやるということは、フランス人が英語やドイツ語をやると言うことなんですね。(中略)ところが日本の少年は全然言語構造が違う英語をやったり、中国語を習ったりしています。これはもう毎日逆立ちをしているようなもんです。(中略)少年期に全く構造の違う英語を習わせて、生涯の後々まで国なっている』。