5.さあ、どうする日本? 篠原ブログ(652) 西洋の没落:強欲の果てに

ドイツの歴史哲学者であるオズワルド・シュペングラー(Oswald Spengler)が1918年に「西洋の没落(The Decline of the West)」を表わしてから今年で90年になる。以降、何度も西洋の没落はささやかれたり語られたりしてきたが、西洋による世界支配という基本構図は変わっていない。

しかし、どうやら、今度こそ、西洋の没落は起こりそうである。ただ、問題は、西洋の没落が同時に地球の没落を意味しそうなところにある。地球丸ごとが彼らに引きずられて奈落の底に落ち込みそうなところに、厄介な、そして残念なポイントがある。

最大の問題は、自然物すべては人間のためにある、という厄介な考え方にある。これが、今われわれの前に広がりつつある地球崩壊の元凶なのだ

われわれ日本人もこの150年、西洋のお仲間に入って「近代工業化文明」という名のお祭りに参加してきたので、地球を壊した点では同罪だから強いことは言えないが、西洋流の考えを捨てて日本流を前面に出せば、まだせめてもの罪滅ぼしができる余地がある。

日本人の考え方の中には、西洋を真似しての150年の間に随分と壊れてしまったが、まだ自然の恵みを「節度」をもって利用させていただくという軸が残っているはずだ。

日本人の心の中に、まだ自分が必要とする以上をむさぼるのは「強欲」である。という心が残っているはずだ。そして、この心こそ地球の非常事態に立ち向かうもっとも有効な武器となると思う。西洋にはこの心が無いから、放っておくと、彼らは最後の日まで「強欲-英語でgreedという」の饗宴を広げるだろう。(2008/09/03 篠原泰正)