5.気になる情報は、必ず原文で確認する

ご承知のように英語は対立の図式で表せる文化の下にある言語である。英語で事実報告や考え方や分析された情報をやり取りする場合、この対立図式の基で思考や分析、議論を行うことになる。この交渉方式を苦手とする日本企業の多くは海外投資で躓いているようだ。その理由は、投資先に関する情報分析が不十分であるからだ。

例えば投資や提携に関する情報であれば、正直に開示しなければ投資家を裏切ることになり見放される。従って数百ページに及ぶ資料は「ザラ」にある。因みに外国企業から日本向けへ開示されている資料は「薄ペラ」で内容に乏しいのが多い。

原文を読むことで、様々な情報が得られる。例えば提携関係にある企業の存在、大学との共同研究、社内プロジエクトの紹介等が記述されている。また、会社を発展させるには〇〇技術が必要である。そのための支援を求めている、といったことも隠すことなく詳細に記載されている。

◆英語は、必要情報収集するための検索式が作りやすい

類似の技術、製品、システム等の説明、あるいは発明技術の記述は、同じような「フレーズ(phrase)」が使われる。「キーワード」だけの検索でなく、「フレーズ」との組み合わせで「ノイズ」を減らすことができ、類似情報の精度を高めることができる。様々な切り口から「アレコレ」と手がかりを掴みながら「芋づる式」に関連情報を引っ張りだせるのは、詰まるところ検索者の「インテリジエンス力」が決め手となる。

日本語での問題解決、課題記載の「フレーズ・文章」は作りにくい。日本語では「何を(O)、解決している、するための(V)、装置・方法(S)」となるが、英文は(S)(V)(O)で簡単である。例えば「総体速度を測定する装置や方法」は、 “device to measure the relative speed”となる。また装置等がどのような「状態」にあるのかといった検索式の作成も英語が適している。

企業がグローバル化で生き残るには「国際共通語」である英語で、情報を得て、分析し、対策を練り、伝える能力(インテリジエンス)が要る。この能力を身につけることは決して難しいことではない。しつこく言うが、英語は極めて構造的である。その構造を論理的に理解し、翻訳ソフトの支援を受けながら英語に慣れていけば、英語習得への道は開かれる。