IPMA >> 世界で通用する特許明細書を作ろう >> このままでよいのか日本の「特許明細書」
このままでよいのか日本の「特許明細書」
技術の優位性が守れない企業はグローバル社会で生き残れない
日本特許明細書の現状を知り、それが及ぼす影響を特許業界へ提起した。本書籍は「特許明細書作成」の専門書ではないので具体的な改善策まで言及していない。
表題とおり、このままでよいのか日本の「特許明細書」という問いかけである。グローバル社会の中で“日本の特許明細書は世界で通用するのであろうか”という素朴な疑問が著者の原点となっている。
出版元:一般社団法人発明推進協会
価格:2100円(税込み)
http://www.hanketsu.jiii.or.jp/store/top_f.jsp
読者から頂いた意見
- このままで良いとは思わないが、周りがやっているから、これまでやってきたから、自分(自社)だけが改善することにリスクがある。
- 素人に分かるほど「特許の世界」は簡単でない。「発明技術」の全てを文章で説明するには限界があり、その苦労を知らない人が、あれこれと口出しをするのはいかがなものか。
- 昔の特許明細書が酷かったことは否定しない。しかし今では随分と改善されている。この書籍の提起は時代遅れだ。
いずれもご尤もな意見である。
著者が言いたいこと
- 特許申請側の“特許を取りたい”という強い願望からくる「こじつけ」が曖昧な表現となっている。
- 特許申請側と特許審査官の文章でのやり取りが「言語ゲーム」のようになつている。
- やり取りに使われる言語は「日本特許村」特有の言語である。
- その言語は進化を続け、「日本特許明細書」がガラパコス化した。
- 「以心伝心」を期待した言語は論理的(ロジカル)でない。
- この日本語を他言語へ翻訳する作業は極めて困難である。
- この日本語から「忠実翻訳」した外国特許明細書は惨憺たる状態にある。
- 即ち、世界で通用する「グローバル特許明細書」になっていない。
- 世界から理解が得られない文書は単なる「紙クズ」である。
- 世界へ「物・事・考え」を明快に伝えるには、平明な日本語で書く必要がある。
- 「グローバル特許明細書」を作るには世界の共通事項を言い表す文明言語で書く必要がある。
- 技術は、まさしく文明である。技術の説明は文明言語で記述することで伝わる。
- それは、できるだけ文化の色合いを消した日本語、すなわち「文明日本語」である。
- 数ある文書の中でも「米国特許公報」は極めて構造的、かつ論理的な文章で記述されている。
- 「米国特許公報」をリバースすれば良い。
- 日本人技術者の能力は高いので慣れればなんてことはない。
(*)この書籍の目次は、こちらから
(*)「この書籍で訴えたかったこと」「読者から読後感想を頂きました」は、こちらから
(*)この書籍を紹介した記事等は、こちらから