IPMA >> 知財経営を学ぶ >> 中小企業の知財戦略 >> 知財幻想
日本の「中小・ベンチャー企業」が“特許の力で、日本の元気を取り戻したい!特許の力で、日本の「物づくり技術」を守りたい!特許の力で、自社の「技術ブランド」を築きたい!特許の力で、世界からビジネスパートナーを引き入れたい!特許の力で、侵害者を排除したい!”と思っても、残念ながら現状では難しいです。なぜなら日本の特許制度は、圧倒的な特許出願件数を誇る大手企業の「知財戦略」に合わせた運営をしてきた経緯があります。その「特許フアーム」は「中小・ベンチャー企業」の経営実態に合わない部分があります。特許を取得したが、“何も役に立たなかった”という思いを持っている「中小・ベンチャー企業」もあります。
「中小・ベンチャー企業」は大手企業のように“たくさんの特許を出しておけば、その中のいずれかが、あるいはいずれの時期に役に立つかも知れない”といった無駄な特許を出願する余裕がありません。「中小・ベンチャー企業」は限られた経営資源(金、人、知)を最大限に使い、誰の保護にも頼らずに生きていく覚悟で経営をしています。特許を出願するということは「一件、一件」が社運をかけていることになります。しかし問題は、特許のことは「詳しく分らない」要するに、お上(役人言葉では司(つかさ)とも言うらしいです)や専門家(極々限定された当業者とも言うらしい)の言うとおりにやっていれば「なんとなく、よかろう」という受身の状態になっていることです。特許を取得すれば、“会社の利益に繋がる“という幻想を持っているならば、その幻想に引き込まれないことです。