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知財に関する【Q&A】コーナー

中国関連

Q-1

展示会に出展しますが気になる中国実用新案があります。

本年7月中旬に中国で展示会(Propack China 2011)が開催され、当社も出展します。中国の競合メーカーの特許、実用新案権を調査したところ実用新案権について、数点たいへん気になるものが存在します。
それらは、どれも公知の技術であり、業界でも当たり前となっているものです。しかしながら、中国の実用新案制度は、出願すれば登録され、権利行使も可能であるため、何も対応をしなければ、当社の製品についてこれらの実用新案の侵害ということで展示会の差止めを受ける可能性もあり、懸念をしております。
本件について対応を調査したところ

①懸念する実用新案についてすべて無効審判をかける。
 無効審判をかけているあいだは、権利行使を阻止することができる。

②中国の展示会に待機している弁護士(法律で)に事情を説明しておき、無効性がつよい権利であることを理解してもらっておく。(権利保有者が、権利行使を申立ててきた場合は、待機している弁護士がその申立てを見て、権利行使可能かどうか判断する。)の2つぐらいしか分かりません。

無効審判については、公知であたりまえの技術に対して、多大な時間とコストをかけるのは、正直、避けたいところです。 そこで、何か他の有効な手立てはないのでしょうか。アドバイスをお願い申し上げます。

A-1

私なりに以下の通り回答してみたいと思います。どうぞご参考までに。大雑把に言えば、公知であたりまえの技術に対して今から多大な時間とコストをかけて無効審判を請求する必要がないと思います。

理由: 
A. 相手の権利が審査を受けずに登録となった実用新案権であり、その権利が不確定なものである。実用新案権が侵害を受けたことを理由に訴訟を起こす際に、中国特許庁が発行した『技術評価書』の提出が必須とされるように、相手の権利者が権利を主張してくるときには、相手にその『技術評価書』の提示を求めることができると思います。相手がそれを提示できなければ、その権利主張を無視してよいと思います。また、こちらで把握している引例資料を相手にみせ、その技術が公知の技術であるため、その権利に特許性を有さないこと、その特許性を有さないものを持って苦情を申立てて、被申立て人に損失をもたらした場合、『展示会における知的財産権の保護弁法』第10条によって、それ相応の法的責任を負わなければならないことを相手に伝えるべきだと思います。

『展示会における知的財産権の保護弁法』によって、相手は『技術評価書』がなくても展示会に設けられた知財権侵害苦情受付所に苦情を申し立てることができますが(同第8条)、苦情受付所は苦情申立てを受理して24時間以内に、その現地の知的財産権行政管理部門に移送しなければならないことになっていて、現地の知的財産権行政管理部門は展示会の展示期間に基づき、苦情被申立人又は被請求人の答弁期限を指定することができることになっています(同第11条、13条)。この答弁手続きにおいて、こちらで把握している引例資料を現地の知的財産権行政管理部門に提示し、相手の特許技術が公知技術で、権利が成り立たない事を主張できます。

同第14条によって、「苦情被申立人又は被請求人が答弁書を提出した後、更なる調査が必要とされる場合を除き、地方の知的財産権行政管理部門は、速やかに決定を行い、かつ双方の当事者に送付しなければならない」ことになっていますが、本件の場合、こちらが十分な引例資料を提示できれば、「更なる調査が必要とされる場合」に該当するので、普通「速やかに決定を行う」ことができないと思われます。

インターネットで調べたところ、今回の展示会(Propack China 2011)の開催日が7月13~15日のたった3日間であるため、本件の苦情処理結果が出る前にすでに閉幕することになりますので、無事に展示会に参加できるではないかと思われます。

以上の手続きにもかかわらず、相手が権利を主張し、展示の差し止めや、損害賠償などを求めようとするならば、そのときの事情をみて、無効審判を申し立てるかどうかを判断すればよいと思います。

ということで、展示会の間はもし可能であれば、弁護士を待機させ、事情を見て適時に処理できるようにしたほうがよろしいではないかと思います。以上、私なりにアドバイスをさせてみましたが、少しでも参考になれれると嬉しいです(張 峻峰)。

中国弁理士 王 礼華先生にも相談しました

現在、相手は実用新案権を持っています。防衛策として、A社は、第69条に基づき先使用権と主張できます。7月の展示会で先使用権を有する証 拠を持って行くのは一つの方法かと思います。例えば、相手の実用新案権 利の出願日より先に、自分が既に実施(商売)をした証拠。

即ち、特許権の侵害とみなさない行為第(2)項:>(2) 特許出願日の前に既に同一の製品を製造し、同一の方法を使用し、又は製造・使用に必要な 準備を既に整えており、かつ、従前の範囲内において製造・使用を継続している場合の証明できる文書を整えておく。

【参考 第六十九条】
以下の状況のいずれかがある場合は特許権侵害とは見なさない。
(一)特許製品又は特許方法によって直接得られた製品について、特許権者又はその許諾を取得済みの部門及び個人が販売後、当該製品に対して使用、販売許諾、販 売、輸入を行う場合。

(二)特許出願日以前に同様の製品を製造した場合、又は同様の方法を使用するか、あるいは既に製造と使用の必要準備を終えており、かつ元の範囲内だけで引き続き 製造、使用する場合。

(三)臨時に中国の領土、領海、領空を通過する外国の輸送設備が、その所属国と中国が締結した約定又は共に締結した国際条約に基づき、あるいは互恵の原則に従い、輸送設備自身の必要のためにその装置と設備において関連特許を使用する場合。

(四)専ら科学研究と実験のために特に関連特許を使用する場合。

(五)行政認可に必要な情報を提供するため、特許医薬品又は特許医療機械を製造、使用、輸入する場合、及び専らそのために特に特許医薬品又は特許医療機械を製造、輸入する場合。

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