IPMA >> 特許係争に巻き込まれたら >> フォロー事項
交渉や和解による最終決定がなされたときは、特許権利者との間で合意を得た契約条件を契約書に現すことになる。契約書は、契約当事者の取り消し不可能な意思と約束の法律文書で、契約当事者の権利、義務を規定する極めて重要な文書である。
契約には、契約自由の原則があり、法の制限に触れない限り、当事者の意思で自由に決定でき、一度契約が締結されると、交渉でのやり取りの文書、口頭での約束等は全て契約書に置き換わり、何の効力も無くなってしまうことになる。従って、契約書の作成とチェックはきわめて重要で、契約の内容が交渉での合意事項を正確に規定しているか、契約締結後トラブルを発生するような表現がないかなど慎重なチェックが必要になる。
更に、契約上の履行行為の明確化とその徹底については、契約締結が終了すると忘れがちになるが、報告義務や秘密事項についての守秘義務等を明確にして関連者での遵守が必要になってくる。